【人材紹介業界の違いとは?】大手3社のポジショニングと動向を比較

最近、「転職」という言葉を耳にする機会が増えてきた。

人と関わることが好きな方や一度転職を経験された方の中には、「人材紹介業界」で働くことに興味が沸く方もいるだろう。

でも、人材紹介業は将来的に安定しているのか人材紹介業界の会社の違いは何かを答えられる方は少ないのではないだろうか。

それもそのはず。人材紹介業界では、どの会社も似たようなビジネスモデルであり、ニュースでも各社が注力することはあまり取り上げられられないからだ。

 

そこで、本記事では、人材紹介サービスの代表的な3社(リクルート(リクルートエージェント)、PERSOL(doda)、JAC(JAC Recruitment))の違いを考察し、今後の人材紹介業の動向解説する。

はるぼー

人材紹介業界に一歩踏み出す前に、各社の違いを明確にしておこう。

 

ここでは、人材紹介サービスとはそもそもどんなビジネスモデルか説明する。

 

人材紹介サービスと求人広告の違い

求人広告は、転職サイトとも呼ばれ、人材紹介サービスと混同しやすい。

ここで、その違いを明確にしておこう。

人材紹介サービスと求人広告の違い

人材紹介サービスは、担当者のキャリア相談や求人紹介といったサービスを提供するのが特徴。

一方、求人広告は、幅広い求人から選択できるのが特徴。

 

人材紹介サービスのビジネスモデル

人材紹介サービスのビジネスモデルは以下の通り。

人材紹介サービスのビジネスモデル

人材紹介会社には、求職者のサポート(面接対策や求人紹介)企業への営業(求人募集獲得と人材紹介)の2つの役割がある。

求職者を企業に紹介することで、報酬が貰える。

 

人材紹介会社の事業内容

代表的な人材紹介サービスに取り組む会社として、リクルート、PERSOL、JACの売上と特徴を見ていく。

各社は人材紹介サービス以外の事業も行っており、売上に占める人材紹介サービス事業の割合にも注目して見ていこう。

 

リクルート(リクルートエージェント)

リクルートは、HRテクノロジー、マッチング&ソリューション、人材派遣の3つの事業を行っている。

  • 人材派遣:欧米豪を含めた人材派遣サービス。
  • マッチング&ソリューション:人材紹介業と販促事業で構成。個人と企業のマッチングをサポート。(例:リクルートエージェント)
  • HRテクノロジー:企業の人材ビジネスのサポート。(例:indeed)

リクルートの人材紹介サービス(リクルートエージェント)は、マッチング&ソリューションに含まれている。

 

売上構成の推移は以下の通り。

決算資料を参照し作成(3月期決算)

人材派遣とHRテクノロジーが大きな割合を占めている。特にHRテクノロジー領域で売上を伸ばしていることがわかる。

一方、人材紹介サービス(マッチング&ソリューション(人材))の割合は少なく、大きな増加は見られない。

はるぼー

リクルートは、人材紹介サービス以外の事業に注力しているようにも見れるね。

 

PERSOL(doda)

PERSOLの事業は、以下の5つ。

  • Asia Pascific:海外における人材紹介、人材派遣サービス。
  • Stafing:人材派遣サービス。
  • Career:人材紹介業、副業支援。(例:doda)
  • BPO:事務業務の改善。
  • Technology:IT、機電エンジニアの派遣。

PERSOLの人材紹介サービス(doda)は、Career領域に含まれている。

 

売上構成の推移は以下の通り。

決算資料を参照し作成(3月期決算) ※2020年度および2021年度は、Professional Outsourcing部門がBPO部門、Solution部門がTechnology部門と仮定

いずれの事業もバランス良く売上を伸ばしているのが特徴。

ただし、リクルートと同様に、人材紹介サービス(Career事業)の売上割合は小さい。 

人材紹介サービス(doda)においては、求人広告と人材紹介サービスを一体化にしていることが特徴。求職者は転職サポートを受けられる人材紹介サービスと、幅広い求人が見られる求人広告のメリットを享受できる。

はるぼー

いずれの事業も成長の軌道に乗っているのがPERSOLの特徴だね。

 

JAC(JAC Recruitment)

最後に、JACを見ていこう。JACの事業は、以下の3つ。

  • 海外事業:求人広告事業、海外における人材紹介サービス。
  • 国内求人広告事業:国内における求人広告事業。
  • 国内人材紹介事業業:国内における人材紹介サービス。(例:JAC Recruitment)

JACの人材紹介サービス(JAC Recruitment)は、国内人材紹介事業に含まれている

 

売上構成の推移は、以下の通り。

決算資料を参照し作成(12月期決算)

他の2社と比較して、人材紹介サービス(国内人材紹介事業)の割合が圧倒的に大きく、順調に売上を伸ばしている

はるぼー

会社として、人材紹介サービスに注力していることが特徴だね。

 

各社の売上の比較

さて、各社の売上、人材紹介業における売上を比較してみよう。

 

各社の総売上の推移

各社の過去4年感の総売上の推移は以下の通り。

各社の決算資料を参照し作成(リクルートとPERSOLは3月期決算、JACは12月期決算)

比較すると、リクルートの総売上が圧倒的に大きいことがわかる。

リクルートは2022年度までは順調に売上を伸ばしてきたが、2023年度は売上が停滞。

一方、PersolとJACは順調に売上を上げ続けている。

次に人材紹介サービスにおける各社の売上推移を見ていこう。

 

人材紹介サービスにおける売上推移

各社の人材紹介サービスにおける売上の推移は以下の通り。

各社の決算資料を参照し作成(リクルートとPERSOLは3月期決算、JACは12月期決算)

総売上と同様に、人材紹介サービスにおいてもリクルートの売上が一番大きい。

人材紹介業において、リクルートは他社よりも幅広い業界・職種の求人を扱っているのが特徴。求職者に合わせた求人紹介ができるため、市場のシェアも大きいと推察できる。今後も安定した収益になるだろう。

人材領域では、人材紹介の売上収益は堅調に推移すると見込んでいます。
(株式会社リクルートホールディングス 2024年3月期 決算短信より引用) 

 

PERSOLは順調に売上を伸ばしている。

2024年からは、ハイクラスの求職者向けのサービス「Doda X」、「DODAスカウト」を開始。新たなターゲット層の開拓により、売上の向上を図っている推察できる

2024年4月1日より、ハイクラス転職「doda X」とスカウトサービス「dodaダイレクト」の連携開始。
(パーソルキャリア株式会社 公式サイトより引用)

 

JACは市場規模こそ小さいモノの、順調に売上を伸ばしている。

JACは、コンサルタントの増員と教育の拡充を掲げており、サービスの品質向上に注力しているのが特徴。安定的な求職者の巻き込みを図っていると推察できる。

コンサルタント数を着実に増加して成長を加速させ、2030年を目標に質と収益で世界No.1を目指す。
(株式会社JAC Recuruitment 2023年度12月期の決算戦略説明会資料より引用)

はるぼー

今後の売上拡大のために、ターゲット層の拡大と品質の向上が欠かせないね。

 

人材紹介会社の違いを明確にしておこう

本記事では、人材紹介サービスの代表的な3社(リクルート(リクルートエージェント)、PERSOL(doda)、JAC(JAC Recruitment))の違いを考察し、今後の人材紹介業の動向を見てきた。

人材紹介業における大手3社の違いと動向

リクルート:求職者には幅広い業界・業種を提供。高い市場シェアを持ち、安定した事業が期待できる。

PERSOL:求人広告と人材紹介サービスを一体化。新サービスのリリースにより、ターゲット層拡大を図る。

JAC:全社の売上の内、人材紹介サービスが大半を占める。会社として、求職者へのサービス品質向上を図る。

このようにビジネスモデルは同じだが、各社にはそれぞれ特徴がある。

はるぼー

人材紹介業界で働くことを検討する際は、各社の違いを明確にしておこう。

 

ではまた!

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